【自作】ワイヤレス充電器 兼 小出力IH
ワイヤレス充電器を製作してみましたので、紹介したいと思います!⇩
送信側の回路ではMOSFET2個使った自己発振型のZVS回路がメインとなっています。
L1とC1の並列共振にて動作します。
共振動作中はL1又はC1の端子電圧はそこそこ大きいですので(最大値 約50V)、ある程度の定格電圧と耐電流のあるコンデンサを使用します。
このタイプのZVS回路では電源投入時後何かしらの”キッカケ”により自己発振を始めますので、共振のQ値がかなり低かったり、部品定数が極度に適切ではなかったりすると発振しないことがあります。その場合MOSFETに短絡電流が流れて故障に至ることがありますので、過剰な電源容量にしないこと、電源ラインの平滑コンデンサを大容量にしすぎないこと(また極度に低インピーダンス化させないこと)、MOSFETはある程度の電流容量のあるものを選定すると良いです。
ZVS回路の発振を止めたり動かしたりするには、少々強引ですが、Q3,Q4をON/OFFさせています。
その際、MOSFETがOFFになる時にサージが発生してしまう可能性があるので、CRスナバ回路にてサージを吸収しています。通常ZVS動作時はスナバ回路はリレー(Ry1,2)により繋がっておらず、出力ON/OFF時のみリレーが働き、スナバ回路がMOSFETと繋がります。(常にスナバ回路が繋がっていると、発振に影響し、消費電力も大きくなるためこのような動作をさせています)
また、Q3,Q4より必ず先にRy1,2が動作するようになっています。(Q3,Q4はトグル回路前段の遅延回路により)
今回はサージ吸収にCRスナバ回路を使用しましたが、
バリスタでサージ吸収させるほうが楽で簡単ですので、バリスタをオススメします。
その場合、MOSFETのドレイン-ソース間へ繋ぐだけで済みます。
(うp主はちょうどバリスタを持ち合わせていなかったため、めんどくさいことをしました…)
トグル回路ではタッチセンサーからの信号がC5により遅延動作となってからRy3が動きます。
Ry3がONになるたびに出力がON/OFFします。
その出力信号はQ3,Q4へ出力され、また電飾関係の回路へも出力させています。(トグル回路が出力がHIGHの時は緑色、LOWの時は青色へ光らせたりなど)
部品⇩
C1(フィルムコンデンサ):
メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサー 0.22μF630V ルビコンMPS: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
L2,L3(インダクタ):
トロイダルコイル 200μH9A: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
Ry1+Ry2(5Vリレー):
5Vリレー 表面実装用 2回路2接点 EE2-5NUX-L: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
Ry3(5Vリレー):
リードリレーSS1A05: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
三端子レギュレータ 5V:
三端子レギュレーター 5V1.5A NJM7805FA: 半導体(モジュール) 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
バリスタ 150V:
サージ吸収素子(バリスタ) 150V: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
スイッチング電源 12V(ワイヤレス充電器として使う時):
スイッチングACアダプター12V2A STD-12020U: 電源一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
スイッチング電源 15V(IHとして使う時):
スイッチングACアダプター15V3.34A: 電源一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
実際には違う型式のチップ部品を使ったりしましたが、似た部品なら問題なく動くと思います。
2SK2382以外で⇩
NchパワーMOSFET 200V15A TK15A20D: 半導体(モジュール) 秋月電子通商-電子部品・ネット通販 (akizukidenshi.com)
(もう少し電流容量があるとより壊れにくいかと、、)
受信側のDC/DCコンバータは降圧スイッチング回路となっています。
コンバータIC TD1410 を使用。⇩
https://datasheetspdf.com/pdf/791303/Techcode/TD1410/1
チェナーダイオードとMOSFETを使って強引な過電圧保護とさせています。
MOSFETに放熱器をつければ、なお安心…
(K4017は放熱器つけらる仕様ではないですが…)
今回のワイヤレス充電器では電磁誘導方式による電力伝達です。
受信コイルの共振などは利用してませんので、あまり伝送距離は伸ばせません。
また、受信側より送信側へフィードバック制御など全くさせてませんので、受信コイルが送信コイルに近づくほど、受信コイルの起電力が大きくなってしまいますので、コンバータの定格電圧に注意が必要です。
製作したものでは、受信コイルと送信コイルとの距離は8mm~12mm程度あたりが良い感じでした。(受信コイルの起電力が高すぎると、過電圧保護が働き、過電圧保護回路のFETが熱々になり壊れる恐れがあります。熱い場合は受信コイルを遠ざけて下さいw)
TD1410コンバータICではなく、もっと高い入力電圧まで入力可能なコンバータICを使用すれば、もっと使い勝手が良さそうです。
あとは、受信コイルの巻数を調整することで、起電力は変わりますので、ちょうどよい感じにして下さい。
USB出力電圧は5Vです。回路が故障したときの安全対策として、コンバータ出力側に5.1Vや5.6Vのチェナーダイオードをいれても良いと思います。
《その他》
音・電飾関係などの回路についての紹介⇩
・【電子回路】ホタル点滅回路 《積分回路 (Integral circuit)》じんわり点滅
・【電子回路】ON・OFFする時に音が鳴る回路《微分回路(differentiator circuit)》
・タッチセンサ自作!?静電容量式!コンパレータ使用!
トルグ回路については、下記URLの動画を参考にさせて頂きました。⇩
YouTube チャンネル名:よしエレ研究所
URL : https://www.youtube.com/channel/UCo3LKDNnY0GGRDPGOEST_vg
Twitter アカウント:よしエレ研究所 @8jrMEWW6zlq3UAt